第23回 更年期障害
更年期障害(上)
2018.3.13
卵巣機能の低下で発症 肩こり・腰痛が最多
【相談者】
Sさん 50歳女性。半年前から肩こり、腰痛があります。3カ月前からは顔のほてり、発汗、動悸(どうき)があります。月経は1年前から不順になりました。日常生活に支障があり、病院へ行こうと思っています。
卵巣の活動が次第に低下し、ついに月経が永久に停止することを閉経といいます。日本人の平均的な閉経年齢は約50歳とされています。その閉経前後の5年間を更年期と呼びます。この期間に現れるさまざまな症状の中で、他の病気を伴わないものを更年期症状と言い、その中でも症状が重く日常生活に支障をきたすものを更年期障害と呼びます。
■原因は?
更年期に現れる症状の主な原因は、卵巣の加齢性変化による卵胞ホルモン(エストロゲン)の低下です(図)。
卵巣の機能が低下すると、卵巣をコントロールしている脳の視床下部・下垂体から、性腺刺激ホルモンが大量に分泌されます。このように脳の機能が過度に高まり続ける状態が自律神経に影響を及ぼし、顔のほてりや発汗、冷え、頭痛、肩こり、めまいなどの自律神経失調症状を起こします。
またこの時期は、閉経や乳房の委縮、体力の衰えなどの年齢に伴う体の変化に、子供の自立や親の介護などの家族状況の変化、知人や近親者の不幸などといった精神・心理・社会的な環境因子が加わり、倦怠(けんたい)感、うつ、不眠などの精神症状が出現します。このように、更年期には多彩な症状が現れます。
■日本人の特徴は?
それでは、更年期症状について、皆さんはどのように対応されているのでしょうか。更年期症状と治療について、40歳から60歳までの女性約4千人に行ったインターネットの調査結果によると、実際に感じている症状は「肩こり・腰痛・手足の痛み」が最も多く、「倦怠感」「急に顔がほてる」「汗をかきやすい」「イライラする」「くよくよする」「手足が冷える」-の順でした。
更年期症状といえば「急に顔がほてる」「怒りやすい」「汗をかきやすい」などをイメージされる人が多いと思いますが、欧米とは異なり、日本人女性では肩こりが最も多いという特徴がありました。
それらの症状で「生活に支障を感じている」「やや支障を感じている」という女性が6割におよび、潜在的な患者さんがとても多いことがわかります。日本で使われている更年期障害の簡易チェックに簡略更年期指数(SMI)があります。ご自身でチェックしてみてください(表)。
■治療は?
更年期障害は、卵巣機能の低下に加え、社会的・精神的な成因が混在するため、画一的な治療方法がありません。個々の要因を検討し、症状の原因となる病気がないことを確認した後に、月経があった頃のホルモン状態に近づけるホルモン補充療法、更年期に現れるさまざまな症状を緩和する漢方療法、不眠、イライラなどに効果がある向精神薬など、適切な治療を選択することになります。
【相談者】
Sさん 50歳女性。半年前から肩こり、腰痛があります。3カ月前からは顔のほてり、発汗、動悸(どうき)があります。月経は1年前から不順になりました。日常生活に支障があり、病院へ行こうと思っています。
卵巣の活動が次第に低下し、ついに月経が永久に停止することを閉経といいます。日本人の平均的な閉経年齢は約50歳とされています。その閉経前後の5年間を更年期と呼びます。この期間に現れるさまざまな症状の中で、他の病気を伴わないものを更年期症状と言い、その中でも症状が重く日常生活に支障をきたすものを更年期障害と呼びます。
■原因は?
更年期に現れる症状の主な原因は、卵巣の加齢性変化による卵胞ホルモン(エストロゲン)の低下です(図)。

卵巣の機能が低下すると、卵巣をコントロールしている脳の視床下部・下垂体から、性腺刺激ホルモンが大量に分泌されます。このように脳の機能が過度に高まり続ける状態が自律神経に影響を及ぼし、顔のほてりや発汗、冷え、頭痛、肩こり、めまいなどの自律神経失調症状を起こします。
またこの時期は、閉経や乳房の委縮、体力の衰えなどの年齢に伴う体の変化に、子供の自立や親の介護などの家族状況の変化、知人や近親者の不幸などといった精神・心理・社会的な環境因子が加わり、倦怠(けんたい)感、うつ、不眠などの精神症状が出現します。このように、更年期には多彩な症状が現れます。
■日本人の特徴は?
それでは、更年期症状について、皆さんはどのように対応されているのでしょうか。更年期症状と治療について、40歳から60歳までの女性約4千人に行ったインターネットの調査結果によると、実際に感じている症状は「肩こり・腰痛・手足の痛み」が最も多く、「倦怠感」「急に顔がほてる」「汗をかきやすい」「イライラする」「くよくよする」「手足が冷える」-の順でした。
更年期症状といえば「急に顔がほてる」「怒りやすい」「汗をかきやすい」などをイメージされる人が多いと思いますが、欧米とは異なり、日本人女性では肩こりが最も多いという特徴がありました。
それらの症状で「生活に支障を感じている」「やや支障を感じている」という女性が6割におよび、潜在的な患者さんがとても多いことがわかります。日本で使われている更年期障害の簡易チェックに簡略更年期指数(SMI)があります。ご自身でチェックしてみてください(表)。

■治療は?
更年期障害は、卵巣機能の低下に加え、社会的・精神的な成因が混在するため、画一的な治療方法がありません。個々の要因を検討し、症状の原因となる病気がないことを確認した後に、月経があった頃のホルモン状態に近づけるホルモン補充療法、更年期に現れるさまざまな症状を緩和する漢方療法、不眠、イライラなどに効果がある向精神薬など、適切な治療を選択することになります。
更年期障害(中)~ホルモン補充療法~
2018.3.20
健康維持にも効果 がん検査欠かさずに
【相談者】
Sさん 51歳女性。半年前に月経がなくなりました。3カ月前からのぼせ、発汗、動悸(どうき)があり、だんだんひどくなってきたので、産婦人科を受診しようと思っています。どのような治療法がありますか。
更年期障害の主な原因は卵胞ホルモン(エストロゲン)の減少です。少なくなったホルモンを補う治療がホルモン補充療法です。のぼせ、発汗などの更年期症状を改善するだけではなく、エストロゲンの欠落によって起こる病気の発症リスクを低下させ、健康を維持する効果が期待されます(表)。
■検査は?
まず、症状が更年期によるものか、他の病気によるものかを見分けます。同時に、ホルモン補充療法によって悪化する病気がないかも確認します。子宮内膜がんや卵巣がんの治療後の人、肥満者、糖尿病や高血圧の人に対しては、投与を慎重に検討します。
治療を始める前の検査として、身長・体重・血圧測定、血液検査、子宮・卵巣の超音波検査、子宮がん、乳がんの検診を行います。6カ月以内に人間ドックや職場で健診を受けていれば、代用が可能です。これらの検査で異常がなければホルモン補充療法を開始します。
■薬の種類は?
使用するエストロゲン製剤には、経口剤と、貼付剤やジェル剤といった外用剤があります(図)。
経口剤は、使用例が豊富で価格が安いといったメリットがありますが、全身に送られる前に肝臓で代謝されるため、肝臓機能に悪影響を及ぼすことがあります。外用剤の場合は、肝臓機能への影響は少なく、一定した血中濃度が保たれ、経口剤よりも治療効果が高いです。しかし、貼付剤は貼った部分にかゆみがみられたり、価格が高かったりといったデメリットがあります。
子宮のある女性にエストロゲン製剤を単独で投与すると、子宮内膜増殖症や子宮内膜がんの危険が増すため、黄体ホルモン剤を併用します。手術で子宮を摘出している女性には、エストロゲン製剤の単独投与とします。
投与方法は、エストロゲン製剤と黄体ホルモン製剤を周期的に投与して定期的に出血を起こす周期投与法と、エストロゲン製剤と少量の黄体ホルモン製剤を持続的に投与して子宮内膜を委縮させ、出血を起こさないようにする持続投与法があります。個々の要望に合った製剤・投与方法を使い分けることになります。
■注意点は?
治療中は、外来受診時に症状の改善度や有害事象がないかをチェックし、1年ごとに身長・体重・血圧測定、血液検査、子宮・卵巣の超音波検査、子宮がん、乳がんの検査を行います。
治療を中止する場合、即時に中断する方法と投与量を徐々に減らす方法があります。症状の再発や有害事象の発症には差はなく。患者さんの希望に基づいて選択します。治療を終えた後も1~2年ごとに子宮がん、乳がんの検査を行います。
以前は、ホルモン補充療法によって乳がんリスクが高まるなどと言われていたことがありましたが、その後の詳細な研究で、エストロゲン単独では乳がんリスクは増えず、エストロゲンや黄体ホルモンの投与量、投与方法、種類によって発症のリスクが異なることが分かりました。
ホルモン補充療法は、更年期症状の改善だけではなく、骨粗鬆(そしょう)症や脂質代謝、動脈硬化、抑うつ気分などに対しても効果が期待されています。状態を把握しながら、安全に使用することで、患者さんの要望に応えるようにしています。
【相談者】
Sさん 51歳女性。半年前に月経がなくなりました。3カ月前からのぼせ、発汗、動悸(どうき)があり、だんだんひどくなってきたので、産婦人科を受診しようと思っています。どのような治療法がありますか。
更年期障害の主な原因は卵胞ホルモン(エストロゲン)の減少です。少なくなったホルモンを補う治療がホルモン補充療法です。のぼせ、発汗などの更年期症状を改善するだけではなく、エストロゲンの欠落によって起こる病気の発症リスクを低下させ、健康を維持する効果が期待されます(表)。

■検査は?
まず、症状が更年期によるものか、他の病気によるものかを見分けます。同時に、ホルモン補充療法によって悪化する病気がないかも確認します。子宮内膜がんや卵巣がんの治療後の人、肥満者、糖尿病や高血圧の人に対しては、投与を慎重に検討します。
治療を始める前の検査として、身長・体重・血圧測定、血液検査、子宮・卵巣の超音波検査、子宮がん、乳がんの検診を行います。6カ月以内に人間ドックや職場で健診を受けていれば、代用が可能です。これらの検査で異常がなければホルモン補充療法を開始します。
■薬の種類は?
使用するエストロゲン製剤には、経口剤と、貼付剤やジェル剤といった外用剤があります(図)。

経口剤は、使用例が豊富で価格が安いといったメリットがありますが、全身に送られる前に肝臓で代謝されるため、肝臓機能に悪影響を及ぼすことがあります。外用剤の場合は、肝臓機能への影響は少なく、一定した血中濃度が保たれ、経口剤よりも治療効果が高いです。しかし、貼付剤は貼った部分にかゆみがみられたり、価格が高かったりといったデメリットがあります。
子宮のある女性にエストロゲン製剤を単独で投与すると、子宮内膜増殖症や子宮内膜がんの危険が増すため、黄体ホルモン剤を併用します。手術で子宮を摘出している女性には、エストロゲン製剤の単独投与とします。
投与方法は、エストロゲン製剤と黄体ホルモン製剤を周期的に投与して定期的に出血を起こす周期投与法と、エストロゲン製剤と少量の黄体ホルモン製剤を持続的に投与して子宮内膜を委縮させ、出血を起こさないようにする持続投与法があります。個々の要望に合った製剤・投与方法を使い分けることになります。
■注意点は?
治療中は、外来受診時に症状の改善度や有害事象がないかをチェックし、1年ごとに身長・体重・血圧測定、血液検査、子宮・卵巣の超音波検査、子宮がん、乳がんの検査を行います。
治療を中止する場合、即時に中断する方法と投与量を徐々に減らす方法があります。症状の再発や有害事象の発症には差はなく。患者さんの希望に基づいて選択します。治療を終えた後も1~2年ごとに子宮がん、乳がんの検査を行います。
以前は、ホルモン補充療法によって乳がんリスクが高まるなどと言われていたことがありましたが、その後の詳細な研究で、エストロゲン単独では乳がんリスクは増えず、エストロゲンや黄体ホルモンの投与量、投与方法、種類によって発症のリスクが異なることが分かりました。
ホルモン補充療法は、更年期症状の改善だけではなく、骨粗鬆(そしょう)症や脂質代謝、動脈硬化、抑うつ気分などに対しても効果が期待されています。状態を把握しながら、安全に使用することで、患者さんの要望に応えるようにしています。
更年期障害(下)
2018.3.27
副作用少ない漢方 抗うつ剤の使用も
【相談者】
Sさん 51歳女性。更年期障害のため、産婦人科を受診しようと思っていますが、ホルモン療法は副作用が心配です。他にはどのような治療がありますか。
ホルモン補充療法とともに、更年期障害の治療によく用いられるのが漢方治療です。漢方薬は▽飲みにくい▽効果が出るまで時間がかかる-などの欠点がありますが、副作用が少なく、乳がんや子宮内膜がん、心筋梗塞、脳卒中などの既往があり、ホルモン補充療法を行えない人にも使用できます。
■特徴は?
漢方薬は数種類の生薬から構成されており、一剤で「顔がのぼせる」「手足が冷える」「怒りっぽい」といった複数の症状に効く長所があります。
漢方には、個々の患者さんの症状や所見を医学的な物差し(気血水、五臓、六病位など)で表した「証(しょう)」というものがあります(図)。この「証」によって処方される漢方薬が決まります。
140種類近くある漢方エキス剤の中で、4分の1が更年期障害や冷えなどの関連疾患に保険適応されます。中でも「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」「加味逍遥散(かみしょうようさん)」「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」は「三大婦人漢方薬」と呼ばれ、更年期障害の治療によく用いられています。
■効果は?
当帰芍薬散は、虚弱で疲れやすく、筋肉は軟弱、色白、冷え症、貧血傾向、めまい、頭痛、動悸(どうき)のある人に用いられます。血行を良くして、体を温める効果があります。
加味逍遥散は、体力が中等度以下で、のぼせ、精神的なイライラ感、抑うつ感の治療に適しています。
桂枝茯苓丸は、比較的体力があり、肩こり、頭痛、めまい、のぼせ、足冷えなどのある人に効果があります。血液の循環を良くすることで症状を緩和してくれます。
加味逍遙散が精神的なイライラ感に効果的なのに対し、桂枝茯苓丸は体の不調からくるイライラ感によく効きます。
三大婦人漢方薬以外にも「桃(とう)核(かく)承(じょう)気(き)湯(とう)」「女(にょ)神(しん)散(さん)」「温(うん)経(けい)湯(とう)」などが処方されます。2~4週間服用しても症状の改善がなければ、漢方薬を変更するか、別の治療法を検討します。漢方薬を単独で投与するのではなく、ホルモン剤と併用することで、多彩な症状をより改善することがあります。
ただし、漢方薬にも全く副作用がないわけではありません。「証」や症状に合わなかったり、大量に使いすぎたりすると、副作用が起こる場合があります。長期に漢方薬を服用する場合は、数カ月~年に1回程度、定期的に血圧や血液検査でチェックします。
■うつの場合は?
うつ症状が強ければ抗うつ薬を使用します。選択的セロトニン再取り込み阻害薬やセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬には、更年期ののぼせを軽快させるという報告があり、乳がんの治療後などホルモン補充療法ができない人に効果が期待できます。ほかにも、不安感が強ければ抗不安薬、不眠であれば睡眠導入剤、肩・腰痛などがあれば鎮痛剤が処方されます。
適切な薬物療法とともに、カウンセリングなどの心理療法も取り入れ、日常の運動習慣の改善を図り、バランスのとれた食事や栄養管理の指導も更年期障害の予防や治療には必要と考えられます。
更年期は、更年期障害のみならず更年期以降に見られる病気の対策に重要な時期です。より良い人生を送るため、健康管理のきっかけにしていただきたいと思います。
【相談者】
Sさん 51歳女性。更年期障害のため、産婦人科を受診しようと思っていますが、ホルモン療法は副作用が心配です。他にはどのような治療がありますか。
ホルモン補充療法とともに、更年期障害の治療によく用いられるのが漢方治療です。漢方薬は▽飲みにくい▽効果が出るまで時間がかかる-などの欠点がありますが、副作用が少なく、乳がんや子宮内膜がん、心筋梗塞、脳卒中などの既往があり、ホルモン補充療法を行えない人にも使用できます。

■特徴は?
漢方薬は数種類の生薬から構成されており、一剤で「顔がのぼせる」「手足が冷える」「怒りっぽい」といった複数の症状に効く長所があります。
漢方には、個々の患者さんの症状や所見を医学的な物差し(気血水、五臓、六病位など)で表した「証(しょう)」というものがあります(図)。この「証」によって処方される漢方薬が決まります。

140種類近くある漢方エキス剤の中で、4分の1が更年期障害や冷えなどの関連疾患に保険適応されます。中でも「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」「加味逍遥散(かみしょうようさん)」「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」は「三大婦人漢方薬」と呼ばれ、更年期障害の治療によく用いられています。
■効果は?
当帰芍薬散は、虚弱で疲れやすく、筋肉は軟弱、色白、冷え症、貧血傾向、めまい、頭痛、動悸(どうき)のある人に用いられます。血行を良くして、体を温める効果があります。
加味逍遥散は、体力が中等度以下で、のぼせ、精神的なイライラ感、抑うつ感の治療に適しています。
桂枝茯苓丸は、比較的体力があり、肩こり、頭痛、めまい、のぼせ、足冷えなどのある人に効果があります。血液の循環を良くすることで症状を緩和してくれます。
加味逍遙散が精神的なイライラ感に効果的なのに対し、桂枝茯苓丸は体の不調からくるイライラ感によく効きます。
三大婦人漢方薬以外にも「桃(とう)核(かく)承(じょう)気(き)湯(とう)」「女(にょ)神(しん)散(さん)」「温(うん)経(けい)湯(とう)」などが処方されます。2~4週間服用しても症状の改善がなければ、漢方薬を変更するか、別の治療法を検討します。漢方薬を単独で投与するのではなく、ホルモン剤と併用することで、多彩な症状をより改善することがあります。
ただし、漢方薬にも全く副作用がないわけではありません。「証」や症状に合わなかったり、大量に使いすぎたりすると、副作用が起こる場合があります。長期に漢方薬を服用する場合は、数カ月~年に1回程度、定期的に血圧や血液検査でチェックします。
■うつの場合は?
うつ症状が強ければ抗うつ薬を使用します。選択的セロトニン再取り込み阻害薬やセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬には、更年期ののぼせを軽快させるという報告があり、乳がんの治療後などホルモン補充療法ができない人に効果が期待できます。ほかにも、不安感が強ければ抗不安薬、不眠であれば睡眠導入剤、肩・腰痛などがあれば鎮痛剤が処方されます。
適切な薬物療法とともに、カウンセリングなどの心理療法も取り入れ、日常の運動習慣の改善を図り、バランスのとれた食事や栄養管理の指導も更年期障害の予防や治療には必要と考えられます。
更年期は、更年期障害のみならず更年期以降に見られる病気の対策に重要な時期です。より良い人生を送るため、健康管理のきっかけにしていただきたいと思います。